T-SQUAREのおすすめアルバム「TREASURE HUNTER」を徹底特集

T-SQUARE

編集部
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こんにちは、Monosiri編集部です。

今回はT-SQUAREのおすすめアルバム「TREASURE HUNTER」をピックアップしてみたいと思います。

2016年にリリースされた T-SQUARE 通算42枚目のオリジナルアルバムです。全9曲入りのCDに韓国ジャズフェスティバルや歴代在籍メンバーのライブ映像を含めたDVD付きです。

ずっと受け継がれてきたSQUAREのカラーを保ちつつ、様々な音楽的アプローチを取り入れたアグレッシブな作品に仕上がっています。

昔懐かしいものから新しいものまで、バラエティー豊かな曲が揃い、バンドとしての振り幅の広さは圧倒的。アルバムジャケットも今までにないアニメチックなテイストを採用、聴く者の冒険心を刺激してくれます。

キレッキレでかっこよくてエネルギーに満ちた演奏と一緒に、ワクワクする宝物を探しに出かけよう!

楽曲紹介

「TREASURE HUNTER」に収録されているのは、以下の9曲になります。

  1. Treasure Hunter
  2. Chops!!
  3. Metro7
  4. Night Light
  5. 7-6-5
  6. Pearl of the Adriatic
  7. Double Rainbow
  8. Scissors Paper Rock
  9. Last Scene

それでは、それぞれの楽曲について詳しくご紹介していきますね。

1.Treasure Hunter

タイトルチューンにもなっているこの曲は、文字通り宝物を探し求める冒険者がテーマです。過去から未来へ、夢と希望を抱いて走り続ける旅、勇気を持って前に進もう!そう背中を押してくれるようなメロディーが耳に残ります。

長きに渡りバンドを引っ張ってきた安藤正容のギターの音色が素晴らしく、おおらかに力強く歌い上げています。出だしやサビ前の弾けて広がるような効果音は、今まさに扉が開き、未知の世界へ飛び出していく少年の姿を彷彿とさせます。

T-SQUAREの楽曲としては初めてEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の要素が取り入れられ、近年様々なアーティストのサポートを手掛ける坂東慧の新しいアイディアとT-SQUAREの伝統的なサウンドが見事に融合した作品になっています。

2.Chops!!

ゴスペルチョップスの略で、スピーディーで複雑なフレーズを繰り広げるドラミングが特徴的です。ドラマー坂東慧ならではと言えるでしょう。彼だからこそ叩ける曲、ドラムに対する情熱を感じさせる作品です。

シンプルなメロディーの空間を埋めるようにドラムが叩きまくっているという展開、ハイハットやタム回しは一体どうやって叩いているのか、CDではその姿を想像するだけですが、まるで千手観音のように動いているのでは?と思うほどです。

普段から音数の多いドラミングをする彼ですが、決してデタラメではなく、緻密な計算のもとに音楽を壊すことなく、バランス良くスマートにプレイしています。確実で洗練されたドラムテクニックを堪能できる、ぜひライブで聴きたい1曲です。

3.Metro7

ミディアムテンポで16ビートの王道を行くような曲です。T-SQUAREのカラーを全面に出した「大人カッコいい」アレンジになっています。フロントマン伊東たけしの独特なサックスの音色を生かし、リズム隊とピアノのバッキングが心地よいノリを生み出しています。

そして、この曲の肝とも言えるのはベースでしょう。同じルート音上で一定のグルーヴ感を作り出す職人技、しっかりとバンドを支えるスラップベースが本当にカッコいいです。脇役でありながら音楽を引き立たせる重要なポジショニングを見事にこなしています。

安定した演奏の中で、裏拍に入るキメやブレイクがとても気持ち良く、つい体が動き出してしまいます。派手ではないけれど、これぞバンド演奏といった名演です。

4.Night Light

主役はギター、イントロから渋く泣かせるギターメロディーが始まります。街灯なのかバーのキャンドルなのか、ポツンと灯る薄暗い明かりの中で、一人物思いにふける姿を想像してみます。

落ち着いた雰囲気と、柔らかくなめらかで、円熟した音色に哀愁が漂っています。静かに、言葉を絞り出すかのように始まり、心は揺れ動き、感情の高まりとともに曲が盛り上がっていく。メロディーメイカーとしての安藤のセンスを感じます。

還暦を過ぎてもなお第一線で活動し続けながら、作曲家としてギタリストとして、やりたいこと、表現したい音楽を追求し、思いのままに奏でているのがわかります。繊細で透明感のあるピアノ、グッと抑えたサックスが彩りを添えています。このアルバムの中では異色の作品です。

5.7-6-5

初めて聴く人は、出だしからいきなり迷子になってしまうかもしれません。冒頭「8分の7拍子→8分の6拍子→8分の5拍子→8分の6拍子→4分の4拍子」という、インパクトのある変拍子フレーズで始まります。

一度聴いただけでは掴み切れないこのフレーズ、とてもメロディアスで考えられたものです。最後にもう一度登場することでしっかりと曲をまとめています。テーマでは、一貫した弾むリズムにのって、キレのあるサックスが独特なメロディーを奏でています。

細かいフレーズとリズムを生かした作り方がおもしろいです。ごきげんで口笛を吹いているような感じがします。シンセのアドリブも曲調にぴったり合った音色で、遊び心に溢れた作品に仕上がっています。

6.Pearl of the Adriatic

クロアチア南部の都市ドゥブロヴニクの旧市街、オレンジ色の美しい町並みで別名「アドリア海の真珠」と呼ばれるところがあります。

ジブリ映画「紅の豚」のモデルになった場所として知られていますが、そこから発想を得て作られたのかどうか定かではないにしても、どこか昔懐かしい雰囲気を思い起こさせる曲です。

1980年代の「THE SQUARE」と名乗っていた時代にあった、歌謡曲のような節がそう感じさせるのかもしれません。ドラムやベースを抑えたピアニスティックなアレンジに、EWI1000の芯のある温かい音がまさにハマり役。

アルバム9曲の中ではとてもおとなしい印象に捉えられてしまいそうですが、往年ファンの耳には古き良き時代のSQUAREを回想できる至極の1曲となりそうです。

7.Double Rainbow

アコースティックなアレンジの安藤作。前出の「Night Light」が夜のイメージなのに対して、こちらは昼間のカフェで流れるBGMといったところでしょうか。ゆったりと時が流れていくように感じます。

スローなラテン調のリズムに合わせて、それぞれの楽器が優しく語りかけるように音を紡いでいきます。サックスとギターのユニゾンはTHE SQUAREの時代から続く伝統的なカラーを色濃く反映し、ベースメロディーの甘い歌い回しも良い味を出しています。

ふんわりした曲調でありながら、Double Rainbowというタイトルを付けたところに安藤の強いメッセージが込められているのでしょう。「卒業」「祝福」「幸運の前兆」を意味する二重の虹。

今まで頑張ってきたことが節目を迎え、これから幸せなことがやって来る、信じる道を進んでいけば世界は開ける。どこか新しい挑戦への決意を感じさせます。

8.Scissors Paper Rock

ハサミ、紙、岩、じゃんけんの掛け声ですね。アメリカ圏では「Rock-Paper-Scissors」が一般的だそうで、単純に逆さまにしたのか、音楽のRockを掛けて韻を踏んだのか、真意はどうなのでしょう。

いずれにしても、とてもノリが良くて、思わずメロディーを口ずさんでしまいそうです。歌詞を付けて歌ったら楽しくなりそう。JPOPアイドルが歌う曲みたいな印象を抱かせ、それだけ馴染みやすく捉えやすいメロディーと言えるでしょう。

随所でバッキングのキメが気持ちよくハマり、タイトで爽快感たっぷりな曲に、一緒に演奏したくなる人も多いのではないでしょうか。ライブではCDよりも尺が長く、メンバーのソロプレイが楽しめます。観客総立ちで盛り上がる光景を想像しながら聴いてみてください。

9.Last Scene

今アルバムで唯一のバラードナンバーです。優しさと寂しさが入り混じった不思議な感情がじんわりと心に染みてきます。悲しみや落ち込んだ暗い気持ちではなく、過ぎ去った時間を回想するような、どことなく哀れみに近いものです。

冒頭のピアノとサックスの音色は本当に泣かせます。さりげなく聞こえてくるハモンドオルガンB-3、あたたかく包み込むような存在感です。坂東作のバラード曲の特徴である、メロディアスでハーモニーにこだわった作り、最後はコード解決ではなく、余韻を残すようにふっと終わるところに心が救われます。

作曲者の愛犬が旅立つ直前に見せた最後の表情が忘れられず、弔いと感謝の気持ちをこめて作られたという曲。そんなエピソードを知ると、より魅力的に聞こえてくるかもしれません。

付属DVD

2015年7月から2016年アルバムリリースまでの活動を振り返る映像集です。デビュー以来、毎年オリジナルアルバムを作り続け、定例のホールツアーやカウントダウンコンサートを始め、歴代在籍したメンバーとの特別ライブや海外でのコンサートも精力的に行っています。

韓国での「VOYAGE to Jarasum」Jarasum International Jazz Festivalは国内同様、観客総立ちで盛り上がる様子やリハーサル風景も収録され、海外にいるファンとの交流をうかがうことができます。

12月に開催されるYEAR END LIVEは、神戸の老舗ライブハウスCHICKEN GEORGEで延べ10日間ほどに渡り、メンバーや関わりを持つミュージシャンたちの熱い演奏が繰り広げられる名物イベント。

その中からオリジナル発表当時のメンバーで演奏された「Truth」と「Travelers」を収録。貴重なライブの模様を楽しめます。