前の記事で「冬至にかぼちゃを食べる理由」について書いたんですが、冬至には「ゆず湯に入る」ってこともよく聞きますよね。
もちろんこれも昔からの風習なので何かしらの理由があるのはわかるのですが、かぼちゃと同じく「なんとなく身体にいいから…」くらいで詳しいことは知りませんでした。
そこで今回は、せっかく冬至に興味を持ったので「なぜ冬至にゆず湯に入るのか」についても調べてまとめました。
また由来とあわせて、ゆず湯の効能も調べたので、今年の冬至にはぜひ納得してゆず湯を楽しんでくださいね。
冬至にゆず湯に入る由来
冬至にゆず湯に入る由来は主に以下の2つです。
- 身を清めるため
- 語呂合わせ
ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
身を清めるため
冬至は「太陽の力がよみがえる喜ばしい日」と考えられ、「一陽来復(いちようらいふく)」ともいいます。
もともとゆず湯は、一陽来復に備えて、これから運気を呼び込む前に厄払いをし、身を清める禊(みそぎ)の儀式だったのが始まりと言われています。
今では毎日お風呂に入ることは普通ですが、昔はそうではありませんでした。儀式や新年などの特別な時の前に、身体を清める意味で入浴をする風習は今でも残っています。
また、柚子の強い香りは、邪気を払い心身を清めると考えられていました。端午の節句に菖蒲湯に入るのも同じ理由からです。
確かに、ほかの果物のような甘い香りより、ゆずのようなハッキリした強い香りは、お清めになりそうな感じがしますね。
冬至になぜ「ゆず湯」なのか?と考えがちですけど、昔はお風呂に入ることも特別なことで意味があったんですね。
この他にも、「黄色」は魔除けになり光や熱を象徴する色として、太陽の光が衰えている冬至に沢山取り入れたい色とされていました。柚子とかぼちゃの中身は黄色ですよね。
語呂合わせ
もう1つの由来は語呂合わせです。まず「冬至」には、お湯につかって病気を治す意味の「湯治(とうじ)」という言葉をかけています。
今と違って、医療技術が十分に発達していない時代は、多くの人が温泉の効能で病気を治そうとしていたんです。
同じように「柚子」には「融通(ゆうずう)が効きますように」という語呂合わせで願いが込められています。これを合わせて「湯治(冬至)に融通(柚子)が効きますように」というようになります。
また、柚子は実るまでに長い年月がかかるので、「長年の苦労が実りますように」という願いも込められています。
このように、冬至に柚子を入れてお風呂に入ることは、健康や幸せを願う儀式だったんですね。
ところで、「冬至にゆず湯に入ると風邪をひかない」ということを聞いたことはありませんか?
ゆずをお風呂に浮かべることで、入浴剤みたいになにか体に嬉しい効能があるんでしょうか。引き続き見ていきましょう。
ゆず湯の効能
はじめに書いた「冬至にゆず湯に入る理由」では「身を清めるため・語呂合わせのため」ということでしたが、実際にゆず湯に入ることで以下の効果が期待できるんですよ。
- 体を温めて免疫力を上げる
- 美肌効果
- リラックス効果
- 肩こり・冷え性改善
では1つ1つ説明していきますね。
体を温めて免疫力を上げる
柚子の皮に含まれるリモネンは、血行を良くし身体を温めてくれます。身体が温まることにより、代謝が良くなるので免疫力向上にもつながります。
「冬至にゆず湯に入ると風邪をひかない」という言葉は、単なる言い伝えというわけではなさそうですね (笑)
美肌効果
柚子の皮に含まれるリモネンは、肌の油汚れや古い角質などを落とす効果があります。
また、柚子の皮にはレモンの2倍の量のビタミンCが含まれていて、シミやしわを防いでコラーゲンを作ってくれます。お肌が乾燥しやすい冬には特にうれしい効果ですね。
リラックス効果
柚子の香りの素であるリモネンには、身体をリラックスさせる効果もあります。アロマオイルにも柚子の香りってありますよね。
身体の緊張をほぐし、ぐっすり眠れるようになります。また、ストレスを感じた時にはビタミンCが不足しやすくなりますが、柚子の皮には豊富に含まれているんですよ。
肩こり・冷え性改善
寒い冬場は特に肩こりや冷え性で悩みやすくなりますよね。そんなときにも、リモネンの血行促進効果で肩こりや冷え性の改善につながります。
このようにゆず湯の効果は風邪予防だけでなく、冬場ならではの悩みをいろいろ解決してくれるんですね。お肌が弱くなければ、ぜひゆず湯に浸かって身体を癒しましょう。
まとめ
- 冬至にゆず湯に入るのは、一陽来復に備えて身を清めるため
- 「湯治(冬至)」に「融通(柚子)」が効きますように、という願いを込めた語呂合わせ
- ゆず湯には、風邪予防以外にも嬉しい効能がある
柚子っていい香りだし、入浴剤にも柚子の香りってあるから、冬至にゆず湯に入るのは「なんとなく身体にいいからかな~」と思っていました。
それは間違いではなかったですが、昔の人にとってはお風呂に入ること自体が特別な意味を持っていたんですね。
「夜になったからお風呂に入ろう~、今日は柚子入れよっか♪」
そんな気分的なものではなく、冬至という大事なイベント前のお清めだったなんて、昔と今の文化の違いを感じます。
お正月は昔も今もおめでたい日、とわかりますが、冬至って今はそんなに喜ばしい日なイメージないですよね・・・?
それでもゆず湯やかぼちゃを食べる習慣だけは残っているのが、とても面白いと感じました。
実際にそんなゆず湯に入ってみたくなりますよね。
でも「柚子をそのまま入れるだけでいいのか」もしくは「何かやり方が決まってるのか」などわからないこともあると思います。
ゆず湯の作り方に関しては下の記事にまとめてありますのでよろしければご覧ください。