こんにちは、Monosiri編集部です。
今回はユニコーンのおすすめアルバム「THE VERY BEST OF UNICORN」を取り上げてみたいと思います。
「THE VERY BEST OF UNICORN」は累計80万以上の売り上げを記録し、ユニコーン史上最多セールスのアルバムです。「大迷惑」、「雪が降る町」など大ヒット曲が満載。曲のバリエーションは、ロック系、バラード系、ポップ系と幅が広いです。
これさえ聴いておけば、ユニコーンの話ができる、ユニコーンがわかるようなアルバムと言えるのではないでしょうか。ユニコーンファンともきっと話ができると思いますよ。今でもライブに行けば、どれか1つは演奏するはずです。盛り上がる「大迷惑」は間違いなくライブですると思いますね。
あらためて聴くとユニコーンの強みは、5人編成で音のバリエーションの幅広さ、作曲者が複数人おられること、曲に対するアプローチに縛りがなくて、とても柔軟であることなどが挙げられるかなと感じました。それでは収録されている楽曲を見てみましょう。
楽曲紹介
「THE VERY BEST OF UNICORN」に収録されているのは、以下の18曲になります。
- Maybe blue
- Pink Prisoner
- ペケペケ
- I’m A Loser
- Sugar Boy
- 服部
- デーゲーム
- おかしな2人
- 大迷惑
- 人生は上々だ
- 自転車泥棒
- 働く男
- フーガ
- スターな男
- ヒゲとボイン
- 雪が降る町
- 与える男
- すばらしい日々
それでは、それぞれの楽曲について詳しくご紹介していきますね。
1.Maybe blue
「タラララータンタンタッ?」と切ない透き通った綺麗なキーボードの音からはじまり、疾走感のあるバラードソングです。切なくて、雨の中を走っているよう曲です。たまにFMラジオでも耳にする曲です。
奥田民生さんの熱のこもった、叫ぶようなメッセージ性のある声、歌詞も印象的です。間奏の泣きのギターとキーボードのサウンドが絡み合うところがかっこよく、何かもどかしさや切なさを感じられます。
ドラムのリズムは意外と少し変わったリズムパターンで、低音のフロアタムを利用したリズムが多いです。間奏のギターソロ終わりのスネアの「タカタカタカタカ」が疾走感があってカッコいいです。
このスネアの音が、後半のサビへと盛り上げています。キメがある。割とタイトな感じで、90年代にあるサウンドみたいです。
2.Pink Prisoner
タイトル通り、ピンク色の鎖、手錠がキーワードになった曲で、男女の恋心を描いた、怪しげでどこか暗く、切ない感じの曲調です。サビ部分では、奥田民生さんのメッセージ性のこもった曲でもあります。
意外にも、あの蕾などのヒット曲を持つコブクロがカバーしています。原曲では、曲の終わり方もこだわっています。Bメロで流れるキラキラしたパイプオルガン?のような音が印象的です。
フェードアウトで終わると思いきや、フェードインして少し上がって終わるというフェイントを入れた終わり方で、なかなかない終わり方です。サビ前の「ダンダンダンダン!」というキメが数回あり、サビへの盛り上がりをお膳立てしています。
この音が、ノリが弾み、耳に残ります。間奏の少しうねる感じのギターリフや泉が沸くようなキーボードの効果音も印象的です。個人的に、ユニコーンの中でトップレベルで好きな曲で、カラオケでよく歌う曲で、歌いやすいです。
3.ペケペケ
一言で言うと、コミカルな面白い曲です。冒頭から「テケテケ」と鳴るギターのリフや少しうねるようなベースラインが印象的な曲です。
この曲は、奥田民生さんとベースボーカルのEBIちゃんの愛称の堀内一史さんもボーカルをされております。Aメロやサビに分けて、二人それぞれボーカルをしています。堀内さんの声は、シャープで少し甘くてクールな感じがして、ユニコーンの楽曲の幅が広がるような印象を受けます。
1番サビ終わりの「ダンダダン、ダッダッダダン!」というリズムや効果音のようなキーボードソロやソロ前のギターとベースのユニゾン、キーボードの手裏剣が回る音、民生さんののラフな砕けた歌い方、歌詞などにコミカルさが散りばめております。
4.I’m A Loser
タイトルから連想される通り、失恋を嘆き叫ぶような曲です。キーボードの音や民生さんの歌い方の影響からか爽やかな感じもあります。失恋に未練たらたら、じめっとした感じと言うよりは、「やっちまった!やっぱ今回も上手くいかねぇわ!もう!」みたいな感じです。
冒頭からいきなりサビを歌うところからスタートします。サビ後に奥田民生さんが思いっきり叫んでいるのも特徴的です。他に叫んでいる曲といえば、大迷惑のラストサビ後に叫んでいます。そうとうやってしまった感があるのかなと感じます。
Aメロで流れるキーボードの音は、日が差すようなキラキラした様な綺麗な音が印象的です。間奏のギターソロがロックな感じでカッコいいです。ドラムは特別目立つところはありませんが、徹底的にタイトな音になっており、かなり尖った印象の受ける音です。
5.suger boy
恋愛に関して、願ってもないチャンスがあるのにあと一歩の勇気が持てなく、悩み挫けている男性目線の恋心を歌った曲です。I’m A Loserとは異なり、こちらの曲の方が、未練たらたら感のある曲です。
恋に悩んでいる時に聴けば、共感ができて、聴き込めると思います。冒頭の爽やかなギターの音色から他の楽器隊が入り、疾走感のある感じに曲調が変わります。緩急のある曲とも言えます。
全体的にキーボードが主役の曲です。AメロやBメロでさりげなく入る「タラララン」となる透明感のある音が印象的ですし、サビでのキーボードの効果音がサビを強調している感があります。
間奏で一旦、盛り上がりを落として、キーボードソロのようなの透明感のある音で聴かせてピアノの音に変化していきます。
sugar boyの歌詞は古いバージョンがあるみたいで、現在の歌詞は改良されたバージョンです。サビの部分やBメロの歌詞などが少し変わっています。
6.服部
歌詞は面白おかしく、メロディはハードロック調な曲です。冒頭からギターのゴリゴリなハードロック感のあるリフから始まりドラムの手数の多い6連符のおかずが炸裂します。キーボードもハードロック系にありそうな手数多めな派手な音です。
ドラムはハードロックに合うようなダイナミックな音で重みもある感じです。改めて聴くと、ディープパープルのようなハードロックバンド的な感じで洋楽テイスト満載な曲かなと思います。
歌詞は30代の服部という人物を歌った曲です。一見するとかなり偏った歌詞のように感じますが、なぜかすんなりと受け入れてノリノリになってしまう曲です。
ユニコーンだからこそ出来てしまう、奥田民生ワールド炸裂な曲ですね。再結成後も服部を演奏されております。人気バンドの氣志團がカバーしています。
7.デーゲーム
昼間にゆったりと静かに聴きたいときにおすすめな曲です。他の曲でよくあるロックなタイトな感じとは異なり、ポップで横ノリな感じの曲です。作詞作曲はギタリストの手島いさむさんです。
夢を追いかけていた野球少年の思い出を歌った曲です。こんな曲もできてしまうのかと思わせるユニコーンの引き出しの広さがわかる曲です。
キーボードの効果音が印象的で、インドのアラビアン的な音で脱力感を与える音です。間奏では、キーボードソロがあり、アラビアンな音で演奏されており、摩訶不思議な感じがします。
野球少年の頃の過去を回想している感じを表しているのかなと思います。後半でコーラスが入っていいて、他の曲にはないアプローチです。全く固くなくて脱力したような柔らかい歌い方が現在の奥田民生さんのスタイルに近い感じがします。
8.おかしな2人
ドラマーの西川幸一さんが作詞した珍しい曲です。2人の男女間の駆け引きや恋模様を、タイトル通り、おもしろおかしく表現したシンプル寄りのロック調な曲です。冒頭から激しく始まります。
ドラムが目立っており、シンバルのキメやキメの間に手数多めのスネアやタム移動のフィルインがあり、華やかです。実際に演奏してみようとすると、テンポも速くて細かくキメが入っていますので、聴いている以上に難しいです。
サビ終わりの間奏からのギターソロは、サビまでのノリをそのままに突っ走る感じのロックンロールなソロです。かなり前のめりな感じのノリで、ライブでは盛り上がること間違いなしの曲です。ユニコーンのコピーバンドで演奏すると楽しそうな曲とも言えます。
9.大迷惑
サラリーマンが突然の異動を言い渡される悲劇なシーンをコミカルに歌った曲です。この曲は、奥田民生さんが作詞作曲した曲で、サラリーマン経験のない民生さんがサラリーマンの目線で立場になって書かれた歌です。
冒頭からギターのロックなリフから始まります。改めて聴くと、このギターの音からサラリーマンの激しい怒り狂ったような気持ち、大迷惑感?が表されているかのようです。
バンドの音だけでなく、オーケストラの演奏が入っているので、重厚で迫力ある感じが出ています。私はこの曲をラジオで偶然聴いてユニコーンを知り、「大迷惑」からのめり込むようになりました。
この曲は、2ビートのリズムとややヘビー寄りなギターが、ユニコーンの中では激しめ目でノリが良くて、カラオケでも歌うと盛り上がりますね。
10.人生は上々だ
ドラマーの西川幸一さんとキーボードの阿部義晴さんが作詞した曲です。阿部義晴さんと奥田民生さんの二人のボーカルメインな感じの曲で、サビでは他のメンバーのコーラスも何回かあり、ロック調の曲ですが、アカペラの要素も含んだ曲です。
マリアという女性に向けた、おもしろおかしく歌ったハッピーな恋の曲です。ユニコーンのコピーバンドで演奏すると楽しそうな曲とも言えます。アップテンポでタイトル通りのハッピーな曲なので、ライブで盛り上がる曲です。
ライブで阿部義晴さんが壁に登ったり、ステージ動き回り、シャウト気味に歌ったりかなりはっちゃけて歌っているの印象的です。ユニコーンはベースの堀内さん、キーボードの阿部さん、奥田民生さんの三人がボーカルされます。複数のボーカリストがいることでバンド全体の幅が広がっています。
11.自転車泥棒
少年時代の懐かしい夏の恋を歌った、やさしくてやわらかな曲。夏の晴れた空にピッタリな曲です。ポップな曲とも言えます。現在の奥田民生さんのスタイルである脱力したゆったりとした語らいの歌声の曲です。
それ以外に、冒頭や間奏に流れるキーボードの「タンタン」と8分を刻む音が、昔の夏を回想させるような感じに聴こえます。冒頭からのうねる感じのベースの音もぐるぐると昔を回想させるような感じがして印象的です。
最後のフェードアウトのようなエンディングでは、ギターが同じフレーズを繰り返していますが、その音がとてもこの曲に合っていて、幼少期の淡い恋物語を回想した感じをうまく表しています。
全体的には手数も多くなくて派手さもないですが、世界観がしっかりと確立されており、シンプルな聴き心地の良い曲です。
12.働く男
男性サラリーマンの仕事での思い悩む事や恋愛についてをおもしろかしく描いた曲です。女性ユニットの「PUFFY」にカバーされた曲です。テレビアニメ「働きマン」の主題歌です。PUFFYのバックでは西川幸一さんがドラムをされています。
ドラムに関しては、リズムに取り入れたカーベルがアクセントになっており曲のコミカルさを表現しています。ボーカルの奥田民生さんの歌い方は、脱力した感じで、少し遊んだ感じの歌い方です。
曲の要所要所に合いの手のように声が入っているのも特徴的で、曲の面白さを引き立たせていると思います。会社に就職したことがない奥田民生さんが、サラリーマンの心情を歌詞でうまく表現されています。サビの部分でキーボードのさりげない、綺麗な音が流れているのも印象的です。
13.フーガ
男性目線から見た男女間の恋模様を歌った曲です。作詞作曲のベース担当の堀内さんがメインボーカルで歌われています。奥田民生さんがボーカルをされない珍しい曲です。
キーボードの阿部義晴さんがBメロで歌われています。キーボードが主体な感じの曲です。Aメロの「パパンパパン」という音という音が曲の盛り上げています。
サビや曲の終わりの部分では教会の鐘のような「カン~カン~」という音が鳴り、結婚式のチャペルを表現しているのかなと思います。
後半の盛り上がりのクライマックスに手数の多いドラムソロあり、スネアドラムを中心にタムを交えながら16分のアクセント移動を激しく荒々しく演奏されています。まさかここに、ドラムソロが来るのかという意表をついた感じです。
14.スターな男
シンプルなロックンロール一直線のノリノリな曲です。サビ前のメロディでは、急にテンションが抑え気味になり、少しジャジーな雰囲気があります。盛り上がるサビを引き立たせています。
ギターソロもこれぞロックンロールな感じで「キュンインキュイン」させてかなり暴れています。ライブでは、後半にはキーボードソロがあり、こちらもギターソロと同じくロックンロールな感じでノリノリでライブで盛り上がる感じです。
民生さんもギターソロをしています。ロックンロール好きには、必聴のたまらない曲です。最後にドラムソロをしています。このソロがレッドツェッペリンの「ロックンロール」で最後にジョンボーナムが六連符のタム移動、スネアのフィルインをしている感じと似ています。多分、そこからヒントを得たのかなと思います。
15.ヒゲとボイン
会社で働く主人公と会社にいるヒゲの生えた若い社長と同じ会社で隣のデスクにいるボインの気になる彼女との恋模様を描いた曲です。この曲は歌詞がメインな曲だと思います。
主人公は同じ会社にいる彼女と良い感じの雰囲気だったけど、海外育ちの自由気ままな若社長がその彼女に手を出すというお話を面白おかしく描き、職場でのエピソードを曲の世界観に取り入れた曲です。
主人公は気になっていた女性を社長に取られてしまい、このやりきれなくてちょっぴり切ない感じもうまく曲に表現されています。歌詞の次に、気になるのは阿部義晴さんのキーボードの音です。
冒頭のからのキーボードの音が特徴的でコミカルな感じで、ユニコーン好きであればこの音を聴けば、「ヒゲとボイン」だとわかります。
16.雪が降る街
解散前の後期にリリースされた言わずと知れた名曲です。ソロの奥田民生さんを思わせる感じで、のんびりとした落ち着きのある感じのあるポップな曲です。ボーカルの民生さんの歌を聴かせる感じの曲です。
クリスマスシーズンや年末に恋人と冬をゆっくり過ごす時に聴くとぴったりな曲です。恋人と二人っきりで、キラキラと雪が舞い落ちるのをロマンチックに見ている風景が浮かぶような曲です。
その他には、キーボードの効果音がふんだんに使用されておりキーボードが華やかさ担当という感じです。冒頭から鼓笛隊のような行進曲から始まり、ドラムのプレスロールから曲を盛り上げて、サビで流れるキーボードの高い音から冬のクリスマスの鐘を連想させるような感じがします。
17.与える男
まさに気だるさのあるロックンロールなソングです。誰でも一度は聴いたことのあるはずのお決まりのような「ジャーッジャジャー」というロックなギターのリフから始まります。きっと冒頭から親近感が沸いてくるはずです。
ボーカルの奥田民生さんが意中の気になる女性に語りかけるような曲です。簡単に言うと、口説きの曲です。
よく歌詞を聴いてみるとかなりストレートなセクシーな口説き文句が並べられており、公共の場ではギリギリな感じで万人ウケするような感じの歌詞ではないような気がしますが、サウンドや歌い方の影響もあって、歌詞に違和感を感じることなく、かなり聴きやすい仕上がりになっている曲です。
ギターソロは、体を横に振りたくなるようなこちらもおきまりなフレーズのロックンロールなソロです。作詞作曲された奥田民生さんのロックンロール好きさが伝わってくる曲です。
18.すばらしい日々
寂しげな歌で解散前のラストソングとなった曲です。奥田民生さんのボーカルがメインの歌が心に染みわたるような歌です。奥田民生さんが遠く離れた、親しい友人?恋人?に向けたような曲です。諸説あるようです。
冒頭やAメロ、エンディングで繰り返し聴こえてくるギターの「タンタタンタンータンタタンタンー」というフレーズがとてもシンプルな音ですが、最後を思わせる鐘のような音に聴こえますし、寂しさや切なさを感じさせる音になっています。
PVがyoutubeにオフィシャルで公開されえており、終始白黒の映像で流し、ほとんどの映像がバンドメンバーを映したシンプルな映像です。この映像から白黒な感じで切なさを強調し、メンバーの表情からも解散を発表したということもあってか、どこか切なさや寂しさを感じます。